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胎便まみれのお産 |
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2025年4月9日
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前回のコラム内でご紹介したお産の詳細なのですが、生まれてきた子牛は「胎便まみれ」で出てきたそうです。
同じような経験をされた方は多くいらっしゃるでしょうか?
分娩予定日の1週間前なのに乳房が張っている母牛。
破水した形跡はないが、牛名板の情報から念のため、と直腸内に手を入れたところ、すぐそこまで胎子が来ていて、出てきたのは黄土色の液体でした。

この色はいつもと違うと気が付き、分娩介助して出てきたのは黄色い子牛でした。
これはどちらも胎便の色です。
胎便は、通常であれば出生後にするものです。
しかし胎内で胎便が出ていた場合、それは難産で分娩に時間がかかったこと、胎内で子牛が低酸素状態になっていたことなどが原因として挙げられます。
どちらにしても、早急に分娩介助が必要な状態です。
今回の例では、胎子と母牛の分娩兆候にズレがあり、胎子はすぐそこまで出ている状態でも、母牛にいきみはなく反芻中でした。
予定日より早く胎子が小さかったためか、分娩に必要なホルモン分泌がうまくいかず、陣痛微弱で難産になったのかもしれません。
ようやく母牛に本格的ないきみが見られたのは、胎便まみれの子牛が生まれた後で、すごい色の羊水と後産を出してくれました。

今回の胎便まみれのお産から学べたことのまとめです。
☆羊水が濁っていたら、産道に手を入れて胎子を確認しましょう。
分娩介助が必要な可能性が高いです。
☆胎便まみれの子牛が生まれたら、すぐに鼻や口をきれいにし、呼吸を確認しましょう。
子牛が酸素不足の状態である可能性が高いです。
☆後産が出たか確認し、フレッシュチェックも行いましょう。
子宮の回復が遅い可能性があります。
今週の動画
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