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橋本匠護のコラム
妊娠後期での胎子確認

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2025年3月21日

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胎子(胚)確認は基本的に授精後30-40日あたりで、エコー検査等により行われることが多いと思います。このタイミングの胎子確認では「今回の授精で受胎しているか?」「胎子は生きているか?」「双子ではないか?」ということを確認します。

分娩前や妊娠後期においても、胎子の状態を確認することがあります。この時期の胎子確認では、以下のようなことをチェックします。

■ 妊娠は維持されているか?
■ 胎子は生きているか?
■ 胎子は大きいか? 娩出できそうか?
■ 逆子ではないか? など

これらを判断するためには、触診やエコー検査で子宮や胎子の状態を確認しなければなりません。一方で妊娠後期の牛の場合、胎子が腹腔の深部にいることもあるため、子宮は触れても胎子が十分に触診できないことがあります。これでは胎子の胎位、サイズ、生存の判断が難しくなります。

そこで最近、私が練習しているのが「妊娠後期の胎子心エコー検査」というものです。この検査では妊娠牛の右側腹底部付近にエコーをあて、胎子の心臓を確認することで胎子の生存(活力)や発育を評価します。


ここらへんにエコーをあてます
 
 

すると胎子の心臓が! 感動です・・・。

豚のような直腸検査が難しい動物ではお腹にエコーをあてて妊娠鑑定をすることは知っていましたが、牛でも出来ると知ったときは非常に感動したものです。使いこなせれば、分かることは多いのでは?と思っております。
 
 
今週の動画
♾️枠場で後肢を保定する方法♾️

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