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橋本匠護のコラム
ロタウイルスについて再確認

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2025年3月7日

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先日、診療を行っていると子牛の下痢便からロタウイルス(の抗原)が検出されました。


↑やはり現場で迅速に出来る検査は良いものです

ということで、今回はロタウイルスについてのコラムです。ロタウイルスは牛の下痢の原因ウイルスとして、ご存知の方も多いのではないでしょうか。このウイルスは経口感染し、条件によっては1~3日の潜伏期間を経て発症に至ります。子牛の場合、1~2週齢での発生が多いとされています。

ロタウイルスに感染し下痢を発症すると、糞便中に大量のウイルスを排出します。排出されたウイルスは、水中や糞便中であれば数週間から数カ月間活性を維持することが可能だといわれています。結構長いですよね。またウイルスの構造上、消毒薬にも比較的強い性質を持ちます。環境中のウイルスは放って置くと感染源となるため、糞便等の清掃、消毒、下痢子牛の隔離などが重要です。

そして初乳による移行抗体も、ウイルス対策としてかかせません。基本的には、良質な初乳を分娩後の適切なタイミングで十分量飲ませましょう。移行抗体を強化する目的で、分娩前の母牛へのワクチン投与も対策として有効です。

最後に、ロタウイルスといえば子牛の下痢が有名ですが、実は成牛でも下痢を引き起こすことがあります。過去には酪農場において、牛群全体にB群ロタウイルスの感染が拡大し下痢が多発した事例などが報告されています。これは頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。
 
 
 
今週の動画
胎盤剥離

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