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第480話「こまめにチェック派?一気にチェック派?」 |
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2025年3月6日
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「発情が来ない」という稟告で子宮や卵巣状態の診察依頼があるとき、(A)細目に依頼するため一度のチェック頭数が数頭の農家さんと(B)数か月に1度の連絡でチェック頭数が10頭以上となる農家さんの2つのパターンがあります。
おそらく、(A)の方がより細目に牛の状況を把握できているはずです。発情が来ない問題牛が基本的に少ないのかもしれませんが、獣医師へのチェック依頼をこまめにされる農家さんは結構繁殖成績が良好なことが多いです。また、何らかの処置を行ったときに同じタイミングで発情が来る個体も少なくなるので、将来的に分娩が重なるリスクも避けられます。
(B)タイプの農家さんの場合、思いたったときに個体の状態を確認するため、気づいたら分娩日から何か月も経過していた、ということも少なくありません。そして、処置を行ってほぼ同じタイミングでまとめてAIもしくはETできたとすると、将来的に分娩が重なり分娩繁忙期が発生する可能性が高まります。分娩が重なると、分娩室が不足したり、子牛の病気が増えたり、人工哺育の場合は労働負担が一気に増える、などのデメリットも発生してしまうかもしれません。
頭数が多い場合や管理者が少ない場合は1頭1頭の状況を細目に把握することはたいへんかもしれません。しかし、未AI牛の耳標にはバンドをつける、ボードやガムテープなどで部屋に記録表をつける、など個体情報がすぐに分かるようにしておくことは非常に大切です。それが難しい場合は、週もしくは月に1回は牛群の繁殖状況を整理し、発情が来ていない問題牛や分娩日が過ぎているのにまだ生んでいない牛のチェック(予定日を過ぎたのに兆候が見られない場合は実は空胎だった!ということもあります)を行うのがよいですね。
今週の動画
胎盤剥離
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