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松本大策のコラム
最近多くないか?(球節沈下のお話し)

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2025年3月3日

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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
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 以前から生後すぐの子牛で、たまに「猫足」といって、球節が沈下している症例をみていました。
 でも最近、各地からこの球節沈下の相談を受けるようになってきました。これは、ナックリングの反対で、深指屈腱と浅指屈腱が緩んでいるため、球節がナックリングの反対側、つまり沈み込むように曲がってしまっているものです。

 毎回系統も確認しているのですが、とくに系統に偏よりは感じられません

 これまでの経験では、V4処置だけで治るものが多かったのですが、最近たくさん診る症例の中には、V4処置では改善せず、プリモボランとカルシトニン製剤を使わないと治癒しないものや、それらを併用しても、球節の沈下が著しく、テープによる固定や、ひどいものでは軽量ギプスで固定しなければならないケースも増えてきたように感じています。


(固定の必要な重度の球節沈下)


(アスレチックテープとクラフトテープで固定)

 さらに残念なことに、きちんと固定した上で、V4処置とプリモボランを併用したにもかかわらず、2週間~3週間で固定を解除してみると、沈下が改善していない症例も2例ほど経験しています。

 ナックリングに関しては、特定のアミノ酸(トリプトファン)の不足の可能性も示唆されていますが、球節の沈下に関しては情報が少なくて困っています。屈腱の短縮術なども考えてはいますが、まだ実施したことはありません。ご経験のある方は、シェパードまでご意見をお寄せいただけないでしょうか?
 
 
 
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