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松本大策のコラム
遠隔診療のための法整備

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2025年2月17日

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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
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 前回のコラムで、獣医師がこれからさらに不足していくだろうことと、そういう状況下で遠隔診療が畜産に果たす役割について書きました。

 最後の方に、「法整備も含めて‥」と書いたのですが、その意味をご説明します。
 現在、農水省も遠隔診療について、積極的な取り組みを見せています。しかしながら、現行の法律では、診療依頼を受けてから、獣医師が農家さんに薬品の指示書を発行して、農家さんがそれをもとに薬品会社に発注する、という流れになっています。

 これでは、せっかく農家さんが病気を見つけて、獣医さんが迅速に的確な治療指示を出したとしても、指示書を受け取って、農家さんが薬を手にするまでに2日以上のタイムラグが発生してしまいます。

 これでは、病気の牛さんを助けられる可能性はとても低くなってしまいますよね?
 万が一、脳炎で倒れてバタバタしている牛さんを見つけて、獣医さんが「インタゲン1バイアルとデキサメサゾン10ml静脈注射して!」と指示を出したところで、その指示書が薬品会社に渡って、農家さんに薬が届く頃には、牛さんは間違いなく死んでしまっているでしょう。もし肺炎だったとしても、慢性化して経済価値が著しく損なわれてしまうでしょう。

 この状況を改善するには、農家さんにある程度の薬剤備蓄をする必要がありますし、その薬剤を適正に管理する管理獣医師(現在も改正家畜伝染病予防法で進められてはいますが)を適正に配置する必要があります。

 このあたりの法整備をこれから獣医師会と共に取り組んでいきます。
 
 
 
今週の動画
OPU時の尻尾保定

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