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橋本匠護のコラム
イネWCSの粗タンパク質は低め

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2025年2月21日

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前回に引き続き、イネWCSの話です。今回は栄養成分について深堀っていきます。まずはWCSの栄養成分を、他の粗飼料と比較してみましょう。粗飼料のカロリー(可消化養分総量)と粗タンパク質に注目して、数値をまとめてみました。


↑イネWCS以外は乾草の数値です(日本飼養標準肉用牛2022年版参照)

表からも分かるように、基本的に飼料イネのサイレージは粗タンパク質が乏しいとされています。もちろん牛にとってタンパク質というのは非常に重要で、特に分娩前後や育成期などは要求量がグッと高くなります。例えば分娩前後の母牛のタンパク質不足は、生まれてくる子牛の免疫低下等の原因となることはご存知の方も多いのではないでしょうか?

つまり分娩前後や育成期ではイネWCSを使わない、もしくは粗タンパク質の豊富な粗飼料と組み合わせての給与などがオススメです。もし給与中のタンパク質充足が気になるのであれば、血液検査で確認してみるのも良いかもれません。

さらに少しでも粗タンパク質の豊富なイネWCSにするために、「施肥」も重要になってきます。実際に2021年の小林らの報告では、「窒素追肥により飼料イネの粗タンパク質含有率が向上した」とされています。ただし堆肥の使い方に関しては少し注意点があります。それは・・・。
 
 
 
今週の動画
牛の表情と痛み【Facial expression and pain in cattle】

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