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蓮沼浩のコラム
第817話:潮目が変わってきた?

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2025年2月18日

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とある肥育農場での会話。

Aさん「いや~~~、蓮沼先生、子牛が高くなってきた~~~。」

ハス「そうですよね、最近和牛子牛の相場が上がってきていますよね。」

とある経産肥育農場での会話。

Aさん「いや~~~、蓮沼先生、経産牛が高くなってきた~~~。」

ハス「そうですよね、最近経産牛の相場が上がってきていますよね。」

往診を回っていると、最近はよくこのような話をすることがあります。今まで非常に低い価格で抑えられてきた和牛子牛相場が昨年末ごろから徐々に上がってきています。この要因はさまざまあると思いますが、やはり多くの農場で繁殖母牛を手放してきていることが関係しているのではないかと小生は思っています。

農家さんと話していても、昨年は成牛市でいつも大量の経産牛がセリに出ているという話をきいていました。当然、経産牛が少なくなれば生まれてくる子牛も少なくなります。

実際のところ、どのようになっているのだろうか?

そこで小生、家畜改良センター様のデータを用いてちょっとグラフを作ってみました。
このグラフは小生の独断と偏見で、全国の生後40カ月以上の和牛雌牛の頭数の推移になります。別に35カ月でもよかったのですが、未経産肥育の頭数をカウントしたくなかったことと、確実に経産肥育牛と繁殖雌牛の頭数をカウントできるようにしたいと考え、ちょっと高めの40カ月以上の頭数にデータを設定いたしました。

その結果が以下のようになります。

なるほど、なるほど。

このグラフを見てみると令和4年12月ぐらいまでは頭数が増えてきています。その後令和5年12月までは大体49万7千頭あたりをうろうろしています。

しかし!!!

令和6年1月から毎月頭数がグングン減っています。令和6年12月と令和5年12月の頭数の差は15,062頭なり。約3.1%頭数が減っています。

なるほど、ここが原因の可能性が高そうですね。

繁殖雌牛を増頭することは実は非常に時間がかかります。あたらしく育成牛を導入しても、その牛が分娩して子牛を出荷するまでに約2年かかります。その間に母牛を更新したりもするので、なかなか簡単に頭数は増えません。

和牛受精卵子牛の出生頭数、令和6年12月は5949頭。そこまで増えていません。いや少し減ってきています。

今後間違いなく和牛子牛の頭数は減っていく。小生は確信しております。今後の国家の動きにも注目です。
 
 
 
今週の動画
OPU時の尻尾保定

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