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加地永理奈のコラム
下痢対策の添加剤とミルクの相性②

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2025年2月12日

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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
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前回の続きです。

収れん剤(止瀉薬)
「べリノール末」に入っているタンニン酸ベルベリン、「ビスキノン末」に入っている次硝酸ビスマスなどが該当します。
これらは下痢止めの効果があり、腸粘膜のタンパク質と結合すると、粘膜を被覆・保護してくれます。
これは収れん作用といって、タンパク質を凝固させる作用によるものなので、ミルクと混ぜると、ミルク中のタンパク質とも反応してしまいます。
ミルク前か食間での経口投与が良いでしょう。

経口抗生剤
抗生剤のミルク添加は、細菌性の下痢に効果を示します。また同時に、細菌性肺炎の治療にも効果が見込めます。
抗生剤は腸管内で増殖した悪玉菌の数を減らしてくれます。
その一方で、善玉菌にも作用し、逆にルーメン内および腸内細菌叢を乱してしまう副作用もあります。
それを防ぐためには、抗生剤の添加開始前から、生菌剤も積極的に使用していただくと良いと思います。
ミルクに生菌剤が入っている場合には、抗生剤は電解質に混ぜたり、飼料に混ぜたりするとより良いでしょう。
抗生剤の添加については、ミルクや他の添加剤との相性、治療で使っている注射薬との相性等もあるため、必ず獣医師とよくご相談の上ご使用ください。
 
 
 
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