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加地永理奈のコラム
下痢対策の添加剤とミルクの相性①

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2025年2月5日

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前回コラム「炭を給与するときのポイント」で、炭とミルクの相性について触れました。
子牛の下痢対策として、子牛に摂取させやすいという理由から、様々な経口薬をミルク添加することがあると思います。
ただし炭のように、あまりおすすめできない組み合わせもありますので、簡単にまとめます。

・吸着剤
前回コラムでお話しましたが、吸着剤として使われる炭は、長期的な添加はおすすめしません。多孔質という構造上、ミルクの栄養分も吸着してしまうためです。
ただし、「バリウム」「マイテックマルチ」という商品名で販売されている吸着剤は、炭よりも多孔質の穴が細かい鉱物が成分となっているため、ミルク添加も生菌剤との組み合わせも問題ないとされています。

・生菌剤
ミルクに添加しても問題ありません。
むしろ下痢のときに限らず、常時添加しても良いと考えます。
腸内細菌叢を整え、下痢の原因となる悪玉菌の増殖を抑えましょう。
注意点としては、ミルクと一緒に飲んだ生菌剤は、ルーメンに入らずに直接第4胃へ入ります。ルーメン内環境を整えることを目的にする場合は、団子で与えるか飼料添加が望ましいです。

・消化酵素製剤
「ビオペア」が主な商品名ですが、これにはミルクや飼料の消化を助ける酵素が入っています。
その影響により、ミルクと混ぜると消化が始まり、固形物をつくってドロドロになってしまう可能性があります。そうなったミルクは子牛が吸えなくなってしまうため、固まる前に飲ませるか、ビオペア単独で経口投与しましょう。
 
 
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female urolithiasis

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