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橋本匠護のコラム
受動免疫移行不全×寒冷→結構まずい

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2025年1月31日

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寒い日が続きますね・・・。こんな寒い日に診療をしていると、「初乳(移行抗体)って大事だな~」と再認識させられます。というのも最近、初乳を十分に飲めていない子牛が重症化するケースに遭遇することが続いたためです。このように初乳からの移行抗体が十分に獲得できていない状態を、受動免疫移行不全といいます。

では実際に受動免疫移行不全が疑われたケースを紹介します。

過大子
子牛が十分な移行抗体を獲得するためには、体重の5~10%の量の良質な初乳を飲む必要があるとされています。つまり子牛が大きければ、その分、初乳をたくさん飲む必要があると考えられます。一方で黒毛和種母牛の初乳の量は初産で0.3kg、経産で1.3kgとされるなど、泌乳量としてはかなり少ないです。そのため生まれた子牛が大きく、飲乳欲があれば初乳製剤や凍結初乳を追加であたえましょう。

初乳製剤
母牛が攻撃的だったりすると、生後まもなく母子分離をすることがあると思います。このような時は母牛からもらえる初乳が少ない、もしくは全く無いこともあるため初乳製剤を利用する必要があります。このとき与える初乳製剤が少ないと、もちろん受動免疫移行不全のリスクが高まります。一度初乳製剤の使い方は、メーカーの方やかかりつけの獣医師に再確認しても良いかもしれません。

母牛の栄養状態が悪い
母牛の栄養状態も、移行抗体の吸収に影響するとされています。過去の報告では、飼料不足などによる栄養不良や慢性的なストレスから受動免疫移行不全の子牛が多発した可能性が示唆されています。

他にも受動免疫移行不全となる要因はあります。今のような寒冷期は、低体温症のリスクもありますので今一度確認していただければ幸いです。


↑もちろん寒冷対策も大事です
 
 
今週の動画
female urolithiasis

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