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第475話「削痩とその原因③」 |
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2025年1月30日
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前回はエサが足りていないために痩せるケースを紹介しました。今回はエサが十分に与えられていても食べられない状況について考えてみましょう。
「健康なのにエサを食べられていない」とは?
エサを食べない牛の診療をしていると、健康(診察上の異常がない)なのにエサを食べない、という珍しい事例に遭遇することがあります。繁殖牛の新規導入時に多いのですが、スタンチョンのある牛舎であれば、その牛がスタンチョンで管理された経験がない(入り方が分からない)、もしくはスタンチョンで過去にケガをしたなどの理由でスタンチョンに入らない(恐怖心から首を入れられない)、という牛もいます。中には、もともと管理されていた農場のエサを与えたら食べてくれたこともありました。私たちと同じように、牛にも未知なものへの恐怖心や苦手なものがあるようです。
また、群内で順位が低いためにいじめられてエサを食べられないこともよくあります。群内のある牛がエサを食べようとすると、とことんその牛の邪魔をしにくる牛って見たことありませんか?自分のエサが十分目の前にあった時でもそのような行動をとる牛もいます。あの行動はとても不思議です。弱い牛は徹底的にいじめられてしまいます・・・。あまりにもひどい場合、いじめられる牛が諦めてしまってエサを食べに来なくなることもあります。

こうしたケースでは、私たち管理者側が対策をとるしかありません。スタンチョンが苦手、もしくは群内順位が低い場合は別部屋で管理する、エサが気に入らない様子であれば農場にある他の飼料を与えてみる、といった対策を実施してみてください。
※今回ご紹介した内容は異常がないことが確認された場合の対策ですから、エサを食べない牛がいた場合はまずは獣医師の診察を受けるようにしてください。
今週の動画
female urolithiasis
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