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松本大策のコラム
恐ろしい肺膿瘍

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2025年1月6日

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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
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随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
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新しい年が明けましたね。
今年こそは本当によい年になってほしいです。
とか言いながら、僕は元旦から風邪引いて熱だしてます⤵️

風邪といえば、昨年暮れくらいから、熱も大したことなく、肺の聴診でもそこまで悪く聞こえない症例で、ものすごい肺膿瘍を形成していた牛に出会いました。

 去勢後から肺炎で、治療して元気、食欲も回復していたのてすが、その後も再発を繰り返し、呼吸器症状が収まり、発熱もないのに食欲がいまいちで痩せていったという経過をたどっています。
 僕としてはかなり強めの抗生剤併用で、菌交代症にも気をつけていたのですが、咳もなくただ元気、食欲がなく、血液検査を家保に依頼したのてすが、白血球も10,200と、そこまでの上昇は見られませんでした。
 その後下顎や胸垂、下肢に浮腫を認め、高張食塩水やデキサメサゾンでも浮腫がとれず、ガリガリに痩せてきて死亡してしまいました。

 家保で解剖していただいたところ、肺と心臓となりにどちらも径20cm もの大きな化膿巣があり、また肺全域に大小の肺膿瘍が認められました。正直者言って、この状態でよく生きていたな、というのが実感です。

 血液検査からも、臨床所見からも、しっかりと診断がつかなかったことを恥じています。この症例は、後程しっかりとまとめてYouTubeにアップさせていただきます。
 
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