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強い薬? |
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2025年1月27日
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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
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随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
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ときおり畜主さんから「先生、強い薬を使ってください」と言われることがあります。これを言われた事のある獣医さんは大勢いらっしゃるのではないかと思います。
病気したときは、誰しも「強い薬」を使って早くすっきり治して欲しいと思いますよね。確かに痛み止めなんかだと、鎮痛効果の強いものがあります。ただ、肺炎や腸炎などの感染症の場合、バイ菌をやっつける「抗生物質」というものの場合は少し事情が異なってきます。
というのも、抗生物質はバイ菌の種類によって得意不得意があるので、一概に「強い抗生物質」とはいえないのです。
例えば、化膿や敗血症を起こすグラム陽性菌に対して強力に殺菌力を持つお薬が、肺炎の原因となるパスツレラ菌やマイコプラズマには一切効果がない、なんてことがあるのです。ですから獣医師としては、できる限り想定されるバイ菌に効果のあるもの(もちろん安い薬から順番に使われることは往々にしてあります)を選んではいくのですが、獣医師が想定したバイ菌ではない場合は、効果が期待できないことがあるのです。
もちろん、同じマスのグループで何頭か発症していて、「この薬は効果があった」というものがあれば、その後発生した患者さんにその薬を使うのは、セオリーだと思いますけどね。
今週の動画
繁殖母牛の膣脱
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