(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
橋本匠護のコラム
病原体を物理的に遮断

コラム一覧に戻る

2024年12月28日

****************************************
2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
****************************************
 
最近はヒトのインフルエンザウイルスが猛威を振るっていることもあり、こまめにアルコール消毒をしている橋本です。適切な消毒はウイルスなどの病原体を殺滅、もしくは減少させるため感染症対策として有効だとされています。もちろん畜産の分野でも、非常に重要視されています。

感染症対策において消毒と並んで有効なのが、病原体を物理的に遮断してしまうことです。物理的に遮断する例として以下のようなものがあります。

■ 長靴の履き替え
■ 使い捨て手袋の使用
■ こまめな衣類の交換
■ 農場内に外部の人が入る機会の減少
■ 農場周囲に野生動物対策のネット・柵を設置

このように物理的に遮断することが出来れば、そもそも農場内に侵入する病原体が少なくなり感染症のリスクはグッと減ります。

特に長靴は踏み込み消毒槽のみで対応されているケースもありますが、踏み込み消毒後の長靴からも病原体が検出されることがあるため履き替えてしまうのがベストです。


↑外部者用などの専用長靴があると非常に良いです

これらに適切な消毒を合わせて行うことで、より効果的な対策になります。実際に牛舎毎の専用長靴の使用と適切な消毒により、ロタウイルスなどの検出率や、子牛の死亡率が有意に低下したという報告※があります。ぜひ「物理的な遮断+消毒」を徹底し、感染症対策を強化しましょう!

※Regression of viral pathogen indicators due to improvement of hygiene protocols on boots in a bovine farm
 
今週の動画
シェイカーで経口投与!?

|