(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
松本大策のコラム
「好酸球性肉芽腫って知ってますか?(その2)」

コラム一覧に戻る

2008年6月9日


 写真は、組織検査といって顕微鏡で調べた時の写真です。こういう所見は、アレルギー性の激しい炎症で見られるものです。そこで治療方針として、アレルギーを抑えるデキサメサゾンとジフェンヒドラミンいう薬をメインに、デキサメサゾンの副作用である「免疫抑制」で細菌感染が起こるのを防ぐ目的でマイシリンを併用する治療を実施しました。
 詳しく言うと、デキサメサゾン3ml、ラドン(ゼノアック)20ml、マイシリン10mlを1日おきに注射しました。4回の治療後、10日目には腫瘤がかなり萎縮してきました。9回の治療で一時症状がなくなったのですが、半月くらいで再び病変部に新しい小さな腫瘤が出来てきたため、再度3回ほど治療を加えたところ、なんとか治癒してくれました。
 写真は治癒後のものですが、前回の写真と比べてみてください。きれいに治ってるでしょ?この症例は、きちんとまとめて雑誌に投稿しようと思っていたのですが、根っからのズボラで(っていうか、共済獣医師時代も忙しかったんですよ)送りませんでした。発表しといたら、けっこう話題だったと思うのになあ。
|