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みなさん、写真を見てみてください。「なんじゃこりゃー(松田勇作風←ふるっ)」って感じでしょ?これは僕が獣医師になった年に遭遇した皮膚の病気です。最初はメラノーマ(悪性黒色腫)という腫瘍の仲間かと思いました。写真では解らないのですが、体中のいろんなところに腫瘍みたいなのから、もう少し扁平なものまでたくさん出来ていたのです。さわると弾力を感じないほど硬く、またカユミが強いようで、舌の届く範囲のものはなめて潰瘍になっていました。 当時はいろんな本にも載っていませんでしたから、とりあえず診断のために病変の一部を切り取り(このとき麻酔なしで切り取ったので、牛さんの強烈な後ろ蹴りを喰らって、しばらくうずくまっていたのを覚えています。ちょこっと切り取る時に麻酔かけるとかえって身体に負担かけちゃうんですよ。でも、このときは僕の身体に多大な負担がかかりましたが。)、顕微鏡で調べてみました。するとそこには...。って、ひっぱる程のことではないのですが、好酸球という白血球の一種で、主に寄生虫やアレルギーが原因で増加するものがたくさん見えたのです。また、切り取った病変部の一部を鹿児島大学に持ち込んで、組織検査をしました。やはり好酸球の異常な出現と結合組織の増勢が見られました。これらの所見から、原因についてははっきりしなかったのですが、何らかのアレルギー性の病気だという診断がつきました。(つづく) |