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ここで、肝臓の不調を招く原因について少し触れておきましょう。まず、第一胃の発酵異常が起こった際に、第一胃内で作られる毒素の影響はとても大きいので注意しましょう。エンドトキシンという毒素が有名ですが他にもいくつかの毒素が知られています。これらの毒素は肝臓を傷めたり、ビタミンAを破壊したり、炎症反応を引き起こしたり、と様々な悪さをしてくれます。 第一胃の異常発酵の原因としては、質の悪い粗飼料の給与を始めとして、粗飼料の給与不足による腹ぺこストレスや、群編成ストレスなどの様々なストレス、給餌時間の不一定などが考えられます。牛さんの場合、なんと言っても粗飼料が最も重要です。また、第一胃の発酵を整えるためにアースジェネターなどの生菌剤を給与することは大変効果的です。また、生菌剤で消化管内細菌叢を整えておくことによって、牛さんのストレス抵抗性も強くなりますから、まだ給与していない方はぜひ試験してみてください。 さて、もう一つ肝臓に悪影響を与えるのが、以前お話ししたカビ毒です。カビ毒にも覚えられないくらい多くの種類があるのですが、ほぼすべてのカビ毒が肝臓障害を起こします。ね?カビの生えた飼料なんか与えちゃダメだって強調するのが分かるでしょ。カビ毒は、以前お話ししたように「完璧に防ごうと思っても混入してしまうもの」ですから、良質の粗飼料を使用し、飼槽の消毒も時々はするとして、カビの多い時期などは、やはりウルカルやマイコ-AD A-Zなどのカビ毒吸着剤を給与しておきましょう。じつはいま、シェパードでも生菌剤と毒素吸着剤の試験をしています。実際に製品化する際には、掲示板でモニターを募集しますね。 |