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松本大策のコラム
ビタミン剤の値上げ

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2024年12月23日

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 7月29日にドイツの世界最大の化学工場で発生した爆発事故により、ビタミン類の供給に乱れが生じていて、製造再開は来年1月頃、事故前のレベルまで製造量が回復するのは春ごろとの見通しとのことでしたが、いよいよビタミン剤(特にビタミンE)の値上げが始まるようです。

 日本では各メーカーとも1月くらいまでは在庫があるのですが、その後はかなりの値上がりが起こりそうで、既に数社からはそういった通帳が来ています。

 僕がバイオ科学さんに設計してつくってもらっている「リカバリーM」も設計でたくさんのビタミンEを配合しているため、かなりの値上げをせざるを得ないとの連絡がありました。

 そこで、ビタミンEの配合割合を見直して、価格の据え置きを図ることにしました。

 リカバリーMには、いろいろな場面での使用を想定していたので、一般の酪農用の添加剤(乳牛のビタミンE添加レベルはかなり多めなのです)の4倍ものビタミンE配合割合にしていました。
 これは、僕が肉用牛の指導をしてきたなかで、出荷前の肉色改善に10日間の添加で十分な効果を発揮する量を経験値から算出したものです。
 しかし、肺炎後遺症対策や脂肪壊死症など、他の使用場面ではビタミンEはこの1/4もあれば十分です。

 そこで今回、ビタミンEの量を、これまで1/2にして、価格を据え置きにしたわけです。
 通常の使用にはこれで必要十分ですし、肉色改善などに関しては、最初に注射用のビタミンE注を10ml併用することで(注射薬は吸収がとてもよいため)、これまで通りの効果をあげることができます。

 価格が上がると、皆さんよいものだと解っていても使わなくなりますからね。
 価格を抑えて使ってもらいつつ、必要な部分は他で補うというわけです。
 何か使用についての疑問や不安がある場合は遠慮なく質問コーナーに寄せてください。
 
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