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蓮沼浩のコラム
第809話:どこに力を入れていくのか? (その3)

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2024年12月10日

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肉用牛の予算ではどこに注目するのか?

「肉用牛繁殖・肥育の経営安定対策」についてみてみましょう。
この経営安定対策は肥育では牛マルキン、繁殖では肉用子牛生産者補給金制度というものになります。

概算要求額が1,639億5,300万円なり。令和2年からのデータをチェックしてみると、何と概算要求額は毎年1,639億5,300万円で変わっていません。概算決定額をみても、ほとんど減らされることなく、満額出ています。

肉用子牛生産者補給金制度の基準価格をみてみると、令和2年から令和4年までは541,000円なり。令和5年は556,000円。15,000円アップ。そして、令和6年564,000円。8,000円アップです。では令和7年度はいくらかといいますと・・・

564,000円!

何と!!変化なしです。

この肉用牛農場の経営を支える予算の流れをみていると、何となく国家の思惑が見てとれます。

例えば・・・令和4年の肉用牛子牛の全算入生産費は81万2,545円です。令和5年の分はまだ発表されていませんが、おそらく令和4年よりも高くなると小生は思っています。飼料、燃料、電気水道、人件費などの上昇。このような点を踏まえれば、肉用子牛生産者補給金制度の基準価格がもう少し高くなっても良いと思うのですが、変化なし。

「不作為(ふさくい)」という手段を用いた生産調整(せいさんちょうせい)。

ただ、11月になってから鹿児島県の子牛価格は上がってきています。理由はよくわかりませんが、もしかしたらランピースキン病の影響がでているのかもしれません。気がついたら福岡県で18農場、熊本県で2農場。合計20農場で発生しています(12月9日時点)。一気に増えました。びっくり仰天です。これは・・・要注意です。
 
 
今週の動画
冬の下痢対策 飼料袋腹巻き

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