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橋本匠護のコラム
母乳4kg=スターター1kgくらい

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2024年11月30日

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今回も離乳の話です。離乳はストレスだけでなく、子牛において栄養状態の変化が起きやすいタイミングになります。

栄養状態を考慮した際に、スムーズな離乳を達成するためには主に以下の2点が重要です。

1.離乳時に子牛が十分量のスターターを食べている
2.離乳時にルーメンがある程度発達している

まずは①のスターター採食量についてです。離乳後はミルクで補っていた分のエネルギーを、主にスターターから得る必要があります。具体的には、母乳4kgがスターター約1kgのエネルギー量(TDN)に相当するとされています。これは母乳やスターターの成分によっても変わるため、あくまで目安としてください。

つまり離乳後のスターター採食量が十分でない場合、エネルギー不足となり発育停滞免疫低下をもたらしてしまいます・・・。


↑離乳後の免疫低下で白癬を発症した子牛

「母乳4kg=スターター約1kgのエネルギー量」というのを基に単純計算すると、一日に6kg飲んでいた子牛は離乳後に1.5kg以上のスターターを追加で食べる必要があります。理論上とはいえ、なかなかの量になりますよね。

この目安と比較して明らかにスターター採食量が少ない場合は、エネルギー不足になっていないか牛の健康状態や発育をチェックしてみてください。もしエネルギー不足が疑われるのであれば、スターター採食量を増やす工夫をするか、バイパス油脂の添加を検討しても良いと思います。

参考文献
※日本飼養標準肉用牛(2022年版) 公益社団法人中央畜産会
 
 
今週の動画
牛さんの目が飛び出ていると・・・

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