2024年11月28日 **************************************** 確かに食い込んでいます。どうやら、何らかのアクシデントで過去に角を折ってしまい、そのまま伸び続けた結果、ついに前頭部に先端が到達してしまった様子。牛自体は元気もりもりで、食欲もあるようなので一安心。 ということで、さっそく保定して、鎮静をかけて、安全を確保した上で除角ワイヤーを使ってえっさほいさと角を切っていきます。保定前は鼻息荒く逃げ回っており、保定後も結構暴れる牛だったのですが、鎮静剤の効果もあり、作業中はおとなしくしていてくれました。 無事に除角は終了。顔にはしっかりと角の食い込み痕が残っていましたが、幸いなことに皮膚の損傷はありませんでした。 気づかずに放っておくと、角がそのまま皮膚を突き破って骨まで伸びていきます。時間をかけて少しずつ皮膚に食い込んでいくため、牛へのストレスも相当なものがあると思われます。過去には鼓脹症(遊離性ガス)を繰り返す母牛の角が食い込んでいることに気づき、除角をしたらその後一切ガスでお腹が張ることがなくなったというケースに遭遇したことがあります。腹囲の膨満と食欲廃絶にばかりに気をとられ、角の食い込みに気づかなかった観察力のなさを嘆くと同時に、疼痛ストレスから消化管の正常な運動が妨げられる場合があることに驚いたのを覚えています。 角の折れ方によっては今回のケースのように将来的に皮膚に刺さるかもしれません。ぜひ、十分な観察をよろしくお願いいたします。 |