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第465話「妊娠鑑定しない派です①」 |
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2024年11月14日
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(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
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繁殖農場のみなさまは妊娠鑑定をどのように実施されていますか?
直腸検査による鑑定、エコーを用いた鑑定、さらには血液や乳汁を用いた鑑定など、いろいろな方法がありますよね。エコーは導入コストがかかりますが、羊水や胎仔がきちんと目視できるので「確実に妊娠している」ことを確認できる強みがありますし、手で確認するよりも早い時期に鑑定を行うことができます。また、血液や乳汁による鑑定では胎盤から分泌されるPAGという糖タンパク質を検出することで妊娠判定を行うことができます。早ければAI実施後28日目から判定ができるため、その鑑定可能時期の早さはピカイチです。乳汁は酪農場における日常作業である搾乳時に検体を手に入れますが、血液で検査する場合には採血という手間が発生してしまいます。しかし、事前に採血をしておけば何頭もまとめて鑑定を行うことができますので、黒毛和牛の繁殖農場でもうまく利用すれば1頭1頭に直腸検査を行うよりも鑑定の手間が省けるメリットがあります。
このようにいろいろな鑑定方法がある中で、鑑定を行わないことを選択している農家さんがいることも事実です。鑑定を行わない、とはいっても繁殖学の教科書にも書いてある立派な妊娠鑑定(?)法のひとつである「ノン・リターン法」がそれにあたります。要は「AI
した次の周期で発情が来なければ受胎したと判断する」という方法です。確かに、受胎していれば発情は来ません。この方法で、気になれば農家さん自身がAI後3ヶ月くらいしてから自分で手を入れて確認するというわけです。場合によっては分娩室に移動するタイミングで、もしくは予定日が過ぎても生まない場合に、確認するという感じです。
獣医師に鑑定を頼まないのでコストはかかりませんし、特定の時期に鑑定することもないので手間もかかりません!夢のような鑑定法ですが、ノンリターン法にはデメリットが多いこともまた事実です。それは・・・
つづく
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【羊膜鞘】出生直後の臍帯炎対策 !
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