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2024年10月21日

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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
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 相変わらず寒暖差が激しい中(27℃から7℃とかなりの急変です)、秋の気配も強くなってきました。

 例年11月上旬くらいからRSウイルスによる肺炎が広がってくるのですが、今年は10日ほど前から沖縄県や宮崎県、鳥取県など、各地のコンサル先で発生が見られます。

 また、かなりの強毒株(重症化するタイプ)が出ていて、すでに3頭ほど死亡もでています。予防としてフォルテ(子牛で2ml、大きい牛では5ml程度)皮下注射とリカバリーMの添加、できればTSV3の接種をしてあげると安心です。

 症状は発熱、流涎、呼吸促迫などで、かなり苦しそうな呼吸になります。
 また、子牛の頃発症し、治癒していたものが再度感染すると、一般には免疫で防御できそうなものが、かえって甚急性に悪化する、という現象も見られます。

 治療は、ラシックスや高張食塩水で肺の水腫の改善を図り、抗生物質とデキサメサゾンを投与しながら変化を見ていきます。

 治療して症状が改善しても、その後数日は治療続けてあげなければなりません。再度悪化して死亡する個体もいるからです。

 発症後でもTSV3の接種はとても有効な治療になります。この鼻腔内噴霧ワクチンは、一般のワクチンと異なり、抗体産生よりもインターフェロン誘導に働いて、しかも1日でかなりのインターフェロンを誘発してくれるため、翌日の状態がかなり改善することも多いです。

 なんにせよ、見落としを防ぎ、徹底した治療で抑えるようにしましょう。
 
 今週のビデオは難産への遠隔対応の一例です。

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