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蓮沼浩のコラム
第801話:瘡蓋(かさぶた)

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2024年10月15日

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ブラックコーヒーとお茶。大好きです。いつも飲んでいます。極まれに胃が痛くなります。飲みすぎです。間違いなくカフェイン中毒ですね。

先日とある往診先で診察。この牛さんは柵に足を挟んでしまい、中足部に大きな傷を作ってしまっていました。足はボッコシ腫れており、足をつくのも難しい状況。

どれどれと小生が傷口を見てみると・・・

パッと見た感じでは臨床症状とは異なり、大きな問題はみうけられません。

しかし、触診すると皮膚がパリパリとなって乾燥しています。
そして「かさぶた」を作っています。ちなみにこの「かさぶた」は医学用語で痂疲(かひ)と言います。

この痂疲は皮膚が損傷した時にその部位の表面から進出した血液や炎症細胞、壊死塊などの血液成分が固まったもののことを言います。

主な役目として傷口の止血・保護・細菌や異物混入を防ぐ役割があります。

ただ、注意しなくてはいけない点として傷口が浅い場合は大きな問題はないのですが、傷が深い場合はちょっと気を付ける必要があります。表面に騙されてはいけません。内部に感染が広がっている場合があります。

今回の事例でも小生がガリガリと痂疲とカピカピにになった皮膚をはがすと・・・

じゃ~~~ん、内部は非常に深くえぐれており、なおかつ壊死していました。


かさぶたを外すと、中にボッコシ大きな穴があいていました~

すみやかに患部洗浄を行い、薬を患部に詰め込んで傷を保護します。
しばらく抗生物質の乱れ打ちは避けられませんね。

外側がよさそうに見えても、内部が大きくダメージを受けている場合があります。治療方法に関しては様々な見解があると思いますが、傷口が深かったり、腫れ方がひどかったり、発熱したりしている場合はしっかりと内部を確認することが重要です。


表面がカピカピの皮膚。ぱっと見はおかしくありません。


皮膚の裏側。かさぶたが出来ています。
 
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