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橋本匠護のコラム
ビタミンA、口からいくか、注射でいくか。

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2024年10月12日

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牛の発育を良好にするうえで、ビタミン類は必要不可欠です。中でもビタミンAは肉用牛において、特に重要視されている印象です。そのためビタミンAを含む薬剤や添加剤などは豊富で、状況にあわせた利用が望ましいとされています。

ということで今回のコラムでは、注射剤、経口剤、添加剤タイプのビタミンA製剤の特徴についてサラッと触れていきます。

経口剤タイプ
牛の口から投与するタイプで、ビタラップ63などの製品があります。比較的に簡単に投与できて、利用されている方も多いのではないでしょうか。経口剤には、投与後数時間で血中ビタミンA濃度が速やかに上昇するという特徴があります。また注射を必要としないため、注射痕などの心配もありません。注意すべきポイントは、ルーメン環境などによって吸収率が左右されてしまうことが挙げられます。

注射剤タイプ
皮下や筋肉内に注射するタイプで、ゼノビタンAD3E注などの製品があります。注射剤はルーメンなどの影響を受けにくいため、ロスが少なく確実にビタミンAを補給できる点が優れています。

添加剤タイプ
ドン八ヶ岳ADEなどのビタミンAを含む飼料添加剤も存在します。基本的には飼料に添加しての使用になりますので、個体というよりも群全体のビタミンA補給において有効です。また数日間添加する分、体内のビタミンA濃度を一定レベルで維持するという点では優れていると思われます。

これらの特徴を踏まえ、「導入時はコレ!暑熱期はコレ!」という風に農場によって使いやすいものを使えば良いですし、組み合わせて利用しても良いと思います。ただしビタミンAなどの脂溶性ビタミンは過剰になってもいけないので、使用量や頻度については獣医師に相談してみることをオススメします!

 
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