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Calf care standards continue to climb ~成長率向上~ |
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2024年10月11日
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出水市の上場高原のコスモスも見ごろとなっています。すっかり秋ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回も前回に引き続き、「Calf care standards continue to climb」という記事についてご紹介します。
今回のコラムでは、②成長率の向上についてお話します。
② 成長率の向上
新生子牛に粗タンパク質(CP)が調整された代用乳をより多く給与することで驚異的な成長率を示した研究が2001年にコーネル大学から発表されたことで、子牛の栄養に関する管理が根本的に変化しました。この研究では、代用乳の給与量に伴って成長率と飼料効率が直線的に上昇した一方で、子牛の成長率が向上しても子牛が過肥状態になるということはなかったそうです。
2001年以前もミルクの給与量を多くすることで成長率が向上することは数多くの報告で示されていたのですが、畜産業界はミルクの給与量を制限し続けていました。しかし、2001年の報告以降、コーネル大学はより多くのミルクを給与する研究を進めており、現在もそのような研究が続いています。近年の研究では、子牛のミルクの給与量を増やすことで、子豚や子羊の飼料効率と同等程度に到達することが報告されています。
肉用子牛に限らず、乳用子牛においても子牛の飼料効率を向上することは重要です。その理由として、
●成長段階の初期の成長と飼料効率を向上させることで、繁殖に適した牛体サイズにより早く達する(=育成期間が短くなり、その分の飼料費を削減できる)
●十分なミルクを給与することで感染症に抵抗を示す
●健康な子牛は成長が早く、初産、さらに初産以降の泌乳期において乳生産量が多い
などがあげられます。
このように、1日当たりのコストを重視するのではなく、体重増加のコストをいかにおさえられるか(育成期間を短縮する、治療費を抑えるなど)を長期的にとらえることが重要です。
次回は③行動を観察するようになった、についてお話します。
今週の動画
ビリルビン尿
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