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戸田克樹のコラム
第458話「病気は外から持ち込まれる①」

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2024年9月26日

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 飼料代高騰の影響から、分娩日が近い妊娠牛を買ってくる、濡れ子を導入する、というように外部導入の機会が増えた牧場が多いように感じます。繁殖牛の育成(初産まで)には2年以上が必要ですし、経産牛でも次の子牛生産までは最短で分娩からおよそ1年はかかります。妊娠牛を導入すれば子牛が生まれるまでの期間は短くできます。妊娠牛を減らして濡れ子導入を増やせば、母牛のエサ代を節約できるだけでなく、ホルモン剤や精液などの受胎にかかる経費やいつ受胎するかわからない不安がなくなります。
 繁殖経営において、確かに外部導入は今の状況ではメリットが大きい方法なのですが、非常に心配なことが1点あります。それは「牧場に病気が持ち込まれるリスクが一気に高まる」ということです。
 
 分娩前の管理があまりよくないために生まれてくる子牛が小さくて虚弱気味なのに、まったく中耳炎や肺炎が出ない牧場があります(下痢で衰弱することはたびたびありますが・・・)。そこは外部導入がありません。一方、濡れ子の導入を始めた別な牧場ではこれまでなかった哺乳期の中耳炎が続々と発生するようになりました。マイコプラズマなどの病原体が農場にやってくる経路は、やはり外からの導入なのではないでしょうか。買ってきた牛が病気をもってきてしまうのです。
 
 マイコプラズマだけでなく、BVDウイルスなどの非常に感染力が強いものが入ってくれば、その後に何が起こるかは容易に想像がつきます。コストを抑えるために導入したのに、治療コストが膨大に膨れあがってしまうかもしれません。考えただけでとても恐ろしいです。それでも外部導入を辞めるわけにはいかない・・・さて、何か対策はないものでしょうか。

つづく
 
 
今週の動画
逆膝の治癒経過

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