② 出生子牛の皮膚や毛に対する暑熱ストレスの影響
この研究はウィスコンシン大学で実施されました。妊娠中の母牛が暑熱ストレスを受けた場合、子孫の皮膚や毛の成長にどのような影響を与えるかを調査したものです。
この研究では、胎仔の成長中の生殖器官における胎児の生殖細胞系が暑熱ストレスの影響を受ける可能性があることに注目しました。さらに、その生殖細胞は次世代の子牛となることから、暑熱ストレスがさらにその次世代にも影響を与える可能性があることも示唆しました。つまり、暑熱ストレスは、母牛、母牛が妊娠している胎仔、そしてその胎仔の最終的な子孫、という3世代に渡って影響を及ぼす可能性があります。
続いて、子宮内の暑熱ストレスによって引き起こされる毛髪と皮膚の変化について調べました。妊娠後期の56日間に熱ストレスを受けた母牛の孫牛(雌)の皮膚と毛に影響が現れていることが確認されました。暑熱ストレスを受けた母牛の孫の世代の子牛は、毛が短く太く、皮膚は薄く、皮脂腺の数は多いものの小さくなりました。