(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
第797話:12番が続々と・・・

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2024年9月17日

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黎明という書籍の「普遍意識」という概念を勉強していたら、プラトンの唱える「イデア論」との類似性に気が付き嬉しくなりました。2000年以上も前の話ですが、今も全く色褪せません。

和牛の枝肉格付けの世界では、A5のBMSが12番というものが最高の評価となります。小生が獣医師になりたての頃は、本当に肥育農家さんの目指すあこがれの目標でありました。よく往診をしていると農家さんからいわれました。

Aさん「おいハス、サシが入る注射打ってくれんけ~!!」

ハス「んなもん、なかっすよ!」

その頃は農家さんにとってA5の12番は「一生に一頭でればよい」というレベルの存在でした。5等級がでれば皆さん大喜びしていました。

Aさん「おいハス、A5の8番じゃった!」

ハス「おおっ!やりますね~~~!すごい!さすが!良かったですね~~~!」

Aさん「じゃろ~~~(ニッコリ)」

そして、月日が流れます。

先日、あるメーカーの営業マンさんから第48回九州管内系統和牛枝肉共励会の結果を見させていただきました。出品されている牛の成績は凄まじいものがあります。

九州沖縄8県で120頭の出品。そのうち90頭がBMS12番なり。ひょえ~~~。
率にして75%が12番です。5等級率ではありません。12番の率が75%です。

ちなみに鹿児島県は15頭出品して15頭がA5の12番。

授精卵移植技術は非常におおざっぱな言い方ですが、枝肉重量がとれて、BMS12が出やすい牛を作ることを目指して利用されます。

当然、血統は最高レベルのものとなります。今後ますますこの流れは加速していくので、A5の12番がさらにつくられてくることは間違いありません。

A5の12番だけでなくA5の枝肉の出口戦略をどのようにしていくのか。日本の和牛の未来をどのようにしていくのか。これらの点が業界全体にとっての最重要課題であり、全力で取り組まなければいけないポイントだと思います。
 
 
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