2024年9月17日 **************************************** 和牛の枝肉格付けの世界では、A5のBMSが12番というものが最高の評価となります。小生が獣医師になりたての頃は、本当に肥育農家さんの目指すあこがれの目標でありました。よく往診をしていると農家さんからいわれました。 Aさん「おいハス、サシが入る注射打ってくれんけ~!!」 ハス「んなもん、なかっすよ!」 その頃は農家さんにとってA5の12番は「一生に一頭でればよい」というレベルの存在でした。5等級がでれば皆さん大喜びしていました。 Aさん「おいハス、A5の8番じゃった!」 ハス「おおっ!やりますね~~~!すごい!さすが!良かったですね~~~!」 Aさん「じゃろ~~~(ニッコリ)」 そして、月日が流れます。 先日、あるメーカーの営業マンさんから第48回九州管内系統和牛枝肉共励会の結果を見させていただきました。出品されている牛の成績は凄まじいものがあります。 九州沖縄8県で120頭の出品。そのうち90頭がBMS12番なり。ひょえ~~~。 ちなみに鹿児島県は15頭出品して15頭がA5の12番。 授精卵移植技術は非常におおざっぱな言い方ですが、枝肉重量がとれて、BMS12が出やすい牛を作ることを目指して利用されます。 当然、血統は最高レベルのものとなります。今後ますますこの流れは加速していくので、A5の12番がさらにつくられてくることは間違いありません。 A5の12番だけでなくA5の枝肉の出口戦略をどのようにしていくのか。日本の和牛の未来をどのようにしていくのか。これらの点が業界全体にとっての最重要課題であり、全力で取り組まなければいけないポイントだと思います。 |