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戸田克樹のコラム
第448話「AWの観点で牛飼いを考えてみる⑥」

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2024年7月11日

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 さて、これまで5つの自由という観点を中心にコラムを書いてきましたが、「じゃあどうする?」というところが重要かと思います。牛が感じるストレスや幸福感は、結局のところ牛にしか分かりません。私たちは「たぶんこう感じてるんだろうな~」という想像でしか語れないのがなんとも残念なところです。しかし近年は、コルチゾールのような体内で分泌されるストレスホルモンを調べることで、いろいろな事象に関して実際にストレスを感じていることが分かったり、意外とストレスに感じていないことが分かったりしてきています。牛のストレスレベルを下げることで枝肉成績や繁殖成績が向上する、という報告も目にします。
 ストレスの感じ方には個体差もあるでしょうし、経済動物である以上、利益度外視で家畜の幸福だけを追求することもできません。どこまでやれるか、というところも農場によって大きな差があることも事実です。そんな中で、一番分かりやすい判断基準は「目の前の牛が幸せそうに見えるかどうか」という点ではないでしょうか。顔つきがよく、穏やかな雰囲気で、ゆったりと反芻している・・・そんな牛がたくさんいる農場は少なくとも「強いストレスがかかって不快な環境に置かれている」なんてことは言えないはずです。血液検査などの数値に頼らない、人間の直感こそが同じ動物である牛の幸福度上昇に必要なものだと思うのです。

 
 
今週の動画
牛が馬になる??

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