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橋本匠護のコラム
放牧場から、一匹でも多く、マダニを減らしたい!

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2024年7月8日

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マダニ対策として、まずは薬剤による対策が思いつくのではないでしょうか。

舎飼いの場合でも、薬剤で外部寄生虫(ダニ・ノミなど)を駆虫することは多々あると思います。様々な駆虫剤が販売されていますが、普段の治療では以下の2種類の駆虫剤を使用しています。いずれも背中に塗布する(プアオンタイプ)が販売されています。

ピレスロイド系
■ 背中に塗布すると外部寄生虫に直接作用し駆除
■ 休薬期間は短いことが多い

イベルメクチン系
■ 塗布すると血中に移行し外部寄生虫を駆除・マダニ吸血を抑制
■ 内部寄生虫も駆除できる
■ 休薬期間は長いことが多い

放牧の場合、放牧開始時、放牧中、放牧終了時で駆虫剤を使用することが効果的であるとされています。放牧開始時の駆虫は、放牧地に寄生虫を持ち込ませないという目的です。放牧中も定期的な駆虫をすることで、環境中のマダニの数を減らすことができます。薬剤耐性の観点から、用法・用量に従って駆虫剤は使用しましょう。またイベルメクチン系とピレスロイド系を交互に使用することで、マダニの薬剤耐性獲得予防に有効であるという報告もあります。

他にも薬剤を含んだ耳標タイプの駆虫グッズなどもあるので、これらも上手く利用すると良いと思います。

しかしマダニ対策においては、薬剤以外の対策も重要です!
 
 
今週の動画
四肢エデマ牛に遭遇~エデマってなに?編~

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