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蓮沼浩のコラム
第786話:価値と使用価値

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2024年7月2日

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気が付けば明日、紙幣が新しくなります。国民になじむまで、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。とにかく最初に新紙幣を手にしたときの「自分の感覚」がどうなるか楽しみです。

前回は「価格」と「価値」というものに対するお話をいたしました。今回はさらに突っ込んで説明いたします。この「価値」というものは「本来の価値」と「使用価値」にわけることができます。

「使用価値」とは?

使って感じる価値のこと。それを使ったり消費した時にメリットを感じたり、満足したり、有意義に感じることになります。前回実は「価値」という言葉を使いましたが、「使用価値」という意味で使っています。普段わたくし達はこのように価値といえば使用価値を思い浮かべることが多いと思います。

では「本来の価値」という言葉の意味は?

労力の大きさのこと。それをつくるのにどれだけ手間がかかったかを測る尺度であり、価値の大きさはその商品につぎ込まれた「人間の労働の量」により決まります。商品の価値は換言すると商品を生産するのに必要な要素の合計、いわゆる生産コストになります。商品の価値は社会平均的にみて必要な手間の量になります。

鉛筆とビルは「価値」が違います。どちらも「使用価値」はありますが、「本来の価値」が違う。

では、牛さんの「本来の価値」はどうなんだろう。
物財費、労働費などを合計したものになります。
令和4年のデータですが、去勢若齢肥育牛では約140万円です。肉専用種子牛で約81万円。

非常に「本来の価値」の高いものをつくっています。これから「使用価値」をどのようにして上げていくのか?多くの知恵を絞っていかなくてはいけません。しかしたとえ「使用価値」が高くなったとしても「実質賃金」が下がり続けている現状ではなかなか販売促進に結び付けることが難しい。個人で何とかできるレベルを超えています。

今回は小暮太一さんの書かれた書籍をもとにコラムを書いてみました。マルクスの資本論の定義をわかりやすく説明している本になるのですが、非常にインパクトのある内容でした。

 
 
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