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藤﨑ひな子のコラム
法定伝染病

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2024年6月28日

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 とつぜんの大雨で視界が悪くなることが増えてきました。運転にはくれぐれもご注意ください。

 6月6日に、佐賀県内において野生いのししでの豚熱の発生が確認されました。また、冬には高病原性鳥インフルエンザの発生もニュースになりますよね。このように、ニュースで取り上げられる家畜の疾患の多くが「法定伝染病」に位置付けられます。今回のコラムでは、「家畜伝染病予防法」の中でも法定伝染病を列挙してみようと思います。

 家畜伝染病予防法とは、家畜の伝染性疾病の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図ることを目的とする法律です。家畜伝染病予防法では、病性や予防・治療法の有無、畜産情勢等を勘案し、殺処分等の強力な措置を講ずる必要があるものを、家畜伝染病(法定伝染病)として下記の28疾病が指定されています。

1. 牛疫(ぎゅうえき)
2. 牛肺疫(ぎゅうはいえき)
3. 口蹄疫(こうていえき)
4. 流行性脳炎
5. 狂犬病
6. 水疱性口内炎
7. リフトバレー熱
8. 炭疽(たんそ)
9. 出血性敗血症
10. ブルセラ症
11. 結核
12. ヨーネ病
13. ピロプラズマ症
14. アナプラズマ症
15. 伝達性海綿状脳症(BSE)
16. 鼻疽(びそ)
17. 馬伝染性貧血
18. アフリカ馬疫
19. 小反芻獣疫
20. 豚熱
21. アフリカ豚熱
22. 豚水疱病
23. 家きんコレラ
24. 高病原性鳥インフルエンザ
25. 低病原性鳥インフルエンザ
26. ニューカッスル病
27. 家きんサルモネラ症
28. 腐蛆病(ふそびょう)

 聞き覚えのある疾病でしょうか?
「口蹄疫」は2000年、2010年の発生が記憶に新しいかと思います。口蹄疫は法定伝染病に指定されており、さらに「特定家畜伝染病防疫指針」において特定家畜伝染病にも指定されているため、発生した場合にはまん延防止のための様々な厳重な措置が取られるのです。この「特定家畜伝染病」には、口蹄疫の他に、牛海綿状脳症、高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザ、豚熱、牛疫、牛肺疫、アフリカ豚熱が指定されています。

 法定伝染病の中では、世界から根絶した感染症(牛疫)や日本では清浄化した感染症(口蹄疫やBSEなど)がある一方、まだまだ発生が続いている感染症(ヨーネ病、高病原性鳥インフルエンザなど)もあります。

 次回のコラムでは、「届出伝染病」についてお話ししようと思います。
 
 
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