第444話「AWの観点で牛飼いを考えてみる②」
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2024年6月13日
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家畜におけるアニマルウェルフェアについて語るときには、よく「5つの自由」という考え方が紹介されます。
① 飢えや渇きからの自由 (Freedom from Hunger and Thirst)
② 不快感からの自由 (Freedom from Discomfort)
③ 苦痛・傷害・病気からの自由 (Freedom from Pain, Injury or Disease)
④ 自然な行動をする自由 (Freedom to Express Normal Behavior)
⑤ 恐怖・抑圧からの自由 (Freedom from Fear and Distress)
この5つの自由を動物自身が感じているかどうかで牧場内のAWレベルが評価されることになります。しかし、①や③のようにわかりやすい(飢え、渇き、痛み、ケガ、病気がない状態)表現がある一方で、いまいちピンとこない項目があることも事実です。家畜にとっての「不快感」とは?家畜の「自然な行動」とは?家畜にとっての「恐怖」って?そんな疑問が沸いてきますよね。それらについてまずは考えてみましょう。
家畜にとっての不快感とは?
まず初めに私たちが感じる不快感が何かを想像してみましょう。例えばこの時期でいえば「梅雨のじめじめした感じ」は非常に不快でしょう。トイレが臭いと不快ですし、飲もうとした水がドロドロしていたり汚れていたりするときも不快に思うことでしょう。要は「いや~な感じ」を牛に与えていないかを想像してみることが大切です。
実際に牧場で考えてみるどのようなことが考えられるでしょうか。気温や湿度が高い状態が続いている、牛舎が雨や風にさらされている、過剰な頭数を管理している(群密度が高い)、敷料の状態が悪い、エサや水が汚れている、などが牛にとって不快な環境といえます。「この環境で人間が1日過ごしたときにどう感じるか」を考えてみると、判断がつきやすくなるかもしれません。
(水飲み場もある程度きれいな方が飲水量も上がります)
今週の動画
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