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藤﨑ひな子のコラム
突然の出血1

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2024年5月31日

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 もうすぐ梅雨時期ですね。今年の雨量はどうなるでしょうか?みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

 今回のコラムでは、「突然の出血」のときに農家さんができることについてご紹介します。

 先日の朝に農家さんから焦ったご様子で電話がありました。「ウシが出血している。おそらく尻尾からだ。出血量が多く、どうしたらよいだろうか?」とのこと。その日はすぐに行けなかったため、農家さんに応急処置をお願いしました。
 「少し太めのゴムもしくは輪ゴム3本ほどで、出血している尻尾の出血部近く(出血部より体幹側)を縛ってください。」
 これで大体は止血します。電話から数時間後やっとその農家さんのところへ行けました。見てみると、尻尾の先端が完全にちぎれており、そこからの出血であったことがわかりました。縛っていただいた輪ゴムを外すと、少量ですがまだ出血する状態でした。出血部に焼きゴテを当てて止血しましたが、同居牛に乗られた際にまた出血してしまったとのことで、再度ゴムで止血し、3日間そのままにしました。3日後に見てみると、ゴムを外し、圧をかけても出血しませんでしたので、治療完了としました。
 今回の症例は出荷前であり出荷規制のつく投薬はできなかったため、ゴムと焼きゴテによる止血のみを行いました。通常はこのような止血法に加え、止血剤および抗菌薬を連投します。

 突然牛から出血がみられると、とてもびっくりしますよね。牛は体が大きいですし、動脈が損傷している場合はさらに出血量が多くなります。獣医師に電話してもすぐに来てくれるとは限りませんよね。今回はそんな時に農家さんができる応急手当をご紹介しました。
 次回のコラムでは、出血の応急手当の時に注意する点についてお話ししようと思います。
 
 
今週の動画
【母乳性白痢】その原因とは

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