|
リンパ節の触診&生検! Part2 |
コラム一覧に戻る
2024年5月20日
****************************************
2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
****************************************
前回のコラムでは、リンパ節が腫れる原因として感染症(反応性腫大)や牛伝染性リンパ腫があると紹介しました。これらを見分けるためには牛の全身状態や稟告なども重要ですが、リンパ節の生検(針生検)というのも非常に有効とされています。
針生検の方法は、腫大しているリンパ節に針を刺して吸引すればOKです。吸引したものを、染色し顕微鏡で観察します。
↑腫大した浅頚リンパ節に刺してみます
実際に生検して染色したものが、こちらになります。
↑左が正常な牛、右がリンパ腫を発症した牛です
針生検ではリンパ球のサイズと、その割合を評価します。左の正常な牛では、小型のリンパ球が多く見られます。一方で右のリンパ腫発症牛では、全体的にリンパ球のサイズが明らかに大きいことがわかります。
↑拡大してみると、リンパ球自体も異なることがわかります
同様に感染などで腫れたリンパ節からも、中~大型のリンパ球は回収されます。しかし中~大型リンパ球の数は、リンパ腫発症牛と比較すると少ないです。これがリンパ節の針生検で、リンパ腫と感染などを見分けるポイントの一つになります。
もちろん病態や個体差などによって、これを満たさないこともあると思います。しかし、針生検は非常に有用な検査です!
今週の動画
ウシの汗
前の記事 リンパ節の触診&生検! Part1 | 次の記事 予防しているのに、コクシジウム症発症?part1 |