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橋本匠護のコラム
リンパ節の触診&生検! Part1

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2024年5月13日

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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
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診察をする際に、私達は体表にあるリンパ節を触診します。


↑リンパ節は「コリッ」とした感触

リンパ節は免疫器官の一つで、リンパ節が腫れた際は感染症や悪性腫瘍などを疑います。牛の場合は、牛伝染性リンパ腫(旧病名:牛白血病)が特に重要です。牛伝染性リンパ腫を発症した牛の中には、全身の複数のリンパ節が腫れる牛がいるためです。眼窩のリンパ節が腫れれば眼球が突出し、骨盤腔内のリンパ節が腫れれば後肢の神経を圧迫し起立困難になることもあります。


↑突出した眼球

ところで牛の体表リンパ節は、どこにあるのでしょうか??以下の写真に、代表的な体表リンパ節の場所を示します。特に浅頚リンパ節と腸骨下リンパ節は腫大すると分かりやすいです!弊社YouTubeにもリンパ節触診の動画がありますので、ぜひご覧ください。


↑体表から触ることの出来るリンパ節。骨盤腔内は直腸壁ごしに触ります!

しかし、「体表リンパ節の腫大=牛伝染性リンパ腫」ではありません。はじめに述べた通り、感染症など他の原因によっても腫大(反応性腫大・反応性過形成)することがあるためです。では、どのように見分ければ良いのでしょうか?方法はいくつかありますが、その方法の一つとして「生検」が有効とされています。生検については次回です!
 
 
今週の動画
先天性屈腱短縮で前膝が伸びなかった子牛

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