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橋本匠護のコラム
未経産牛への早すぎる初回授精

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2024年4月22日

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ときおり未経産牛に早すぎるタイミングで人工授精したことで、難産につながることがあります。こういった母牛は、分娩時の体格が小さくなりがちです。そのため帝王切開や陰部切開などを選択することが多くなってしまいます。また上手く経膣娩出出来たとしても、産道裂創などが起きてしまうことが多いです。


↑3時&9時方向の産道裂創

上記のような生殖器の物理的なダメージは、その後の繁殖成績に影響を及ぼしえます。また若い月齢での妊娠と分娩は、栄養条件によっては分娩後に体重が減少してしまうことがあります。これも繁殖能力の低下につながります。

黒毛和種において初産年齢が2~3歳の母牛と比較して、2歳以下の母牛では生涯産子数が少なくなり繁殖牛としての寿命も短くなるという報告もあります。もちろん母牛の発育や授精に使う精液にもよるとは思いますが、未経産牛への早すぎる授精はリスクが高いのかもしれません。
 
 
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