(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
松本大策のコラム
補助金、こんなに変えたらだめかな?

コラム一覧に戻る

2024年5月18日

****************************************
2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
詳細はこちらをご覧ください。
随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
****************************************
 
 ここ何年か、世間も肉牛の評価も不景気な話ばかり聞こえてきます。
 粗飼料代も配合飼料も倍以上値上がりして、もちろん飼育に必要な電気代、水代、ガス代なども高騰、でも肉用牛界の最終販売物である「ギュウニク」の価格は上がらず。

 まぁ、これでは肥育農家も苦しいし、肥育農家がもと牛にかける金額も下げないといけないから、繁殖農家も子牛を売る酪農家も儲からない。各地で受精卵も売れなくて、冷凍卵屋さんだらけ。
 僕たち獣医師やコンサルタントも、技術論で農家さんを救えなくなっている。分かりやすく言うと、病気を防いだり、生産性をあげたり程度では農家経営を救えなくなっている。

 かくして業界の周辺産業まで冷え込む。こういうことを是正するのが政治や行政だと思うのですが、たいして実効のある方策はなされていないように見えます。僕は政治も行政も知らないけど、世の中を眺めていると、こうしたらどうなんだろう?って考えることはあります。

 ここのところ考えているのは、補助金財源の使い方です。肉用牛に関してだけで年間3兆円も補助金がでています。ただ、今の畜産経営では、そんな巨額の補助金も農家さんに降りてくるレベルになると「焼け石に水」で、経営改善に繋がっていないようです。

 いっそのこと、この補助金を一切カットして、その分を納税者世帯に「国産牛肉券」として世の中に配ってはどうでしょうね。1回5,000円弱を年に7回ほど配ることができます。有効期間を1ヶ月にして、奇数月に配る世帯と偶数月に配る世帯を分けて配布すれば、みなさん5,000円分牛肉を食えるし、タダで食えるとなったらいいものを食べるでしょ?
 そしたら牛肉価格も見直していけるし、消費も増えます。牛肉だけでなく野菜なども共に買うでしょうから、他の消費も増える。流通も増えたら、関連業界(トラックや段ボール屋さん、冷蔵庫業界なども)にも波及します。
 そうすると景気も回復傾向になるし、肥育農家の経営に光が差すことで、繁殖農家、酪農家、飼料メーカーなども潤ってくるように思うのですが。

 ま、獣医バカの僕の考えることですから、ご意見お寄せください。

|