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加地永理奈のコラム
ゲノム検査について勉強会③

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2024年5月8日

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ゲノム検査で母牛を選別したら、同じような血統の子孫だけ集まり、近交係数が極端に高くなるのではないかという質問をしたところ、こちらの答えもNOでした。
たとえば母牛のゲノム検査結果がDWP$500とわかった場合、それより少しでも高い値の種雄牛から選んで交配すれば、ゲノム値は改良に進みます。DWP$がランキング上位の貴重な種雄牛ばかり交配せずとも、逆に幅広い選択肢を持ってメイティングが可能です。ただ、DWP$が判明している海外の種雄牛しか使えないという側面もあります。

外部導入牛については、現在の市場ではゲノム検査結果が公表されないのが普通です。そのため、農場のDWP$平均値より低い母牛を導入してしまう可能性があり、注意が必要です。
またDWP$を上げるために、ハイゲノムとわかった母牛ばかり何頭も導入してしまうと、他の牛とエサの要求量に大きく差が出て揃えられない可能性も出てきます。

最後に、ゲノム検査を活用していく上で、「ゲノム検査の数値がどれだけ高い母牛がいるか」を農場間で比べないでください、ということでした。
ゲノムの数値をどれだけ高くするかは重要な目的ではありません。ゲノム検査をもとに牛群改良を続けた結果として、実際の牛たちが健康的に長く活躍してくれることが大切だと思います。それが、収益性の向上につながっていくはずです。

今回の「クラリファイドプラス」についての勉強会、非常に勉強になりました。これからは毛嫌いせずに、この方面の勉強も続けていこうと思います。長谷川先生、この度は貴重な機会をありがとうございました!
 
 
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