2024年4月12日 **************************************** 前回のコラムでは、牛ウイルス性下痢(BDV)についてお話しました。そして、BVDで最も問題となるのは、ウイルスを排出し続けるPI牛であることもお伝えしました。 まず、予防についてです。ここでいう予防は、PI牛を産生しないための予防をいいます。予防法として、BVDのワクチンを接種することが第一です。また、出生牛や導入牛、可能であれば農場全ての牛の抗原検査は、早期摘発に重要です。検査で陰性となった牛はその後PI牛となることはありません。抗原陽性牛は、PI牛であるかを確認するために3週間以上間隔をあけて再検査をします。 PI牛を摘発した場合、どのようにすればよいでしょう?PI牛は治療法がありません。そのため、摘発されたPI牛は、淘汰が推奨されます。なぜなら、PI牛が、いわゆる「治る」ことはないからです。一見その牛自体は健康に見えるかもしれませんが、一生涯唾液や鼻水、糞便にウイルスを多量に排出します。そのため、PI牛であると判明したらできるだけ早く淘汰を検討しましょう。 BVDで問題となるPI牛は、治療法がなく淘汰が推奨されます。皆さんの大切な牛が、一見健康であるのに淘汰しなければならないとなると、抵抗があるのではないでしょうか。このようなことがないよう、ワクチンや定期的な検査によって予防・早期摘発を徹底しましょう。 |