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松本大策のコラム
ルーメンファイブってご存じですか?

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2024年4月13日

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2025年卒獣医師採用について
(有)シェパード鹿児島本所(鹿児島県阿久根市)、栃木支所(栃木県那須塩原市)ともに獣医師を募集しております。
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随時実習も受け入れております(5年生以上対象)。
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 那須の方でも昨日は気温も20℃あって湿度も高く暑いくらいだったのですが、今日は打って変わって朝から気温も冬に逆戻り。横殴りの強い雨で体感気温はさらに寒くなってしまいました。この時期は、とくに子牛の体調管理も大変です。

 ところで、みなさんはルーメンファイブをご存じですよね?牛さんの第一胃の運動を改善するために、繊維の刺激の足りないところを、ナイロン製のブラシで刺激してあげる道具です。
 ちょうどコップ洗いのブラシのようなものを、紙の筒にいれて細くしてあり、牛さんの口からオーラルクロスという器具で投入できるようにしてあるものです。

 僕が共済獣医師だった頃(もう30年以上昔で恐竜が歩いていた頃です(笑))に、製造元の名和産業の柏原専務と一緒にいろいろな試験をしました。この器具は、肥育牛の慢性鼓張症にも大変効果がありました。
 慢性鼓張症の時、それまでは濃厚飼料を切って、粗飼料を食わせ込んで、落ち着いたら少しずつ濃厚飼料を増やしていく、というやり方が主流だったのですが、このやり方では濃厚飼料が素の量に増えてくると、またガスが再発するというケースがかなり多かったのです。
 そういう牛さんに、ルーメンファイブを3本投与して、濃厚飼料は一切減らさずに食い込ませるようにすると、次第にルーメンが濃厚飼料の消化になれてガスの発生がなくなってくれます。この際に、必ず3本投入することが大切です。2本の時の成功率は60%程度ですが、3本から9本までは95%程の治療効果があるんです。ずいぶんと無茶にたくさん飲ませてみたものですが、この結果からルーメンファイブは3本の投与が妥当だと結論づけました。
 最近では2本でいいという方がいらっしゃいますが、効果のないものにはさらに増やすので、その間の時間が僕は無駄だと考えています。

 さらに、当初はルーメンファイブの投与法のvideoなどもあり、かなりしっかり投与手順が守られていたのですが、最近正しい手順があまり伝えられていない場面によく遭遇します。
 大切なことは、
 1:牛さんの頸を仰角37°に固定すること。
 2:オーラルクロスの長さを正しく調整すること
 3:ルーメンファイブには食用油を必ずまぶしておくこと です。

 また、これは僕がスタッフに指導していることなのですが、牛さんが無理をすると事故につながる恐れがあるため、不慣れな場合は1本ずつ飲ませること。1本飲ませた後、一度オーラルクロスを抜いて牛さんを休ませてから、次の1本を飲ませてください。

 今回、投与手順をvideoにまとめました。ご覧になってください。

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