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戸田克樹のコラム
第434話「ウサギの糞と書いて兎糞(とふん)」

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2024年4月4日

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 肺炎や腹膜炎、四胃潰瘍などを起こすと明らかに採食量が減っていきます。徐々に牛は痩せていきます。元気もなくなるので活動量が下がりますし、目もうつろになっていきます。そんな状態が続くと、こんなコロコロとした便を出すようになります。

これは兎糞と呼ばれます。ヤギも似たような便をしますね。ヤギの場合はむしろそれが正常なのですが、牛がこのコロコロうんちを出したときは非常に問題です。それが何日もろくに食べられていないサインであるからです。エサを食べなくなると、まずはシンプルに便量が減ります。そして次は便にシワがよってきて硬い便になります。そしてついにはコロコロになるのです。このような便が確認された場合、すでにその牛の状態は危険水域に達しており、予後不良な嫌な雰囲気がプンプンする・・・というわけです。うんちだけに。
 逆に、この兎糞が消えて徐々に糞らしい形に戻っていったとしたら、今行っている治療は成功しており牛の状態が改善してきていることの証明となります。いつもは洋服や長靴を汚してくれる糞ですが、牛の健康状態を教えてくれる大切な情報源でもあることに感謝をしなければいけませんね。うんちさん、いつもありがとう!
 
 
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