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加地永理奈のコラム
オガ屑敷料と臍帯炎

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2024年4月3日

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とある農場を訪問中、ハッチの敷料の見た目が以前までと少し変わっていることに気がつきました。
ハッチの敷料はずっと変わらずオガ屑を使用しているところでしたが、ふわふわしたオガ屑から、細かくて重みのあるオガ屑になっていました。スタッフさんにお話を伺うと、ふわふわオガ屑が在庫切れとなってしまって、2~3週間前から一時的に変更になっているとのことでした。

そこで考えたのが、臍帯炎との関連です。
臍帯炎の原因菌は大腸菌群であることが多く、オガ屑敷料は大腸菌群の割合が高くなりやすいことが知られています。オガ屑敷料は細かいために吸湿性が良いのが利点ですが、反面に細菌が増えやすいのも特徴となります。

その農場では臍帯炎の治療が長引く子牛がポツポツと出てきていました。
以前より細かくなったオガ屑が分娩直後の湿った臍に入り込みやすい、重たいということは水分があって菌が増えやすい状態になっている、といったことが考えられます。
対策としては、臍が湿っている間はオガ屑敷料の上にワラを敷くことがおすすめです。オガ屑が直接臍に付着することを防ぎます。他にもオガ屑の5%程消石灰を混ぜて敷くことも大腸菌の消毒になりますが、効果の持続は2日程度です。
 
 
今週の動画
【下痢】哺乳期子牛の下痢の原因(感染性下痢)

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