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早産胎子の病性鑑定結果について考察 |
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2024年3月27日
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昨年の10月頃、同じ農場にて、早産の子牛が増え死亡例も出る事例がありました。感染性のものが原因にないか心配になり、分娩予定日より1~2か月早く死産となった2頭について、家畜保健衛生所で詳しい病性鑑定検査をお願いしていました。
その結果がきたので、まとめます。
まず一番心配していた、届出伝染病にあたるウイルスやネオスポラ原虫の感染はないという結果でした。一安心です。
ではどうして胎子は死んでしまったのか。
1頭はこれといった著変がなく原因不明となりましたが、もう1頭は「グラム陽性菌による細菌性流産」と診断されました。胎盤に多数の細菌の塊があり、炎症反応を起こしていたとのことです。
一般的な細菌による感染のようなので、親の免疫力が下がって起きた日和見感染だと考えられます。
これは偶発的なものなので、なかなかこれといった予防法にはたどり着けないのですが、この親の健康状態や栄養状態で何か気になることはなかったか、さらに遡ってみると参考になることがあるかもしれません。
昨年の夏は暑さが長期的に続いていたので暑熱ストレスがあったり、一時的に過密等のストレスがあったりしたのではないかと推測しています。実際にこの農場では、それ以降の早産や死産は落ち着きました。
今年の夏も暑い日が続くのでしょうか…。今は気温差の激しい時期です。
お気をつけてお過ごしください。
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