2024年3月18日 **************************************** 早すぎる去勢は尿石症等のリスクがあるとされていますが、遅すぎる去勢にもリスクはあります。具体的には、疼痛や感染による牛へのストレス、作業者の安全等の面で推奨されません。 また雌牛と同居している場合は、自然交配による予期せぬ妊娠&分娩が起こることもあります。獣医繁殖学第4版(文英堂出版)によると、8~10ヵ月齢になると精細管内に多数の遊離精子が認められ精液採取が可能となるそうです。本当にそうでしょうか・・?ちょうど11ヵ月齢の牛の精巣が手元にあったので、精子が観察できるか検証してみましょう。 射精前の精子は精巣上体尾部に存在するので、このあたりをねらって針で吸ってみます。 吸引した精液?を染色して観察してみます。すると、ちゃんと精子が回収出来ているではありませんか・・・・!(紆余曲折あり、運動性などの評価はできていません。残念です!) このように発育した精巣においては精子が形成されており、これが予期せぬ妊娠や分娩につながることがあります。中でも肥育雌牛での分娩となると難産リスクは非常に高く、母子ともに負担が大きいです。繰り返しになりますが、皆様去勢忘れの牛はいませんか・・・? |