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蓮沼浩のコラム
第770話:働き方改革の猶予期間が終わります

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2024年3月12日

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2024年4月。はてさて、この時から何が始まるのでしょう?

そうです。2019年から始まっている、働き方改革のなかで、5年間の猶予期間を与えられていた「適用猶予事業・業務」の猶予期間が終わるのです。つまり、5年間にわたって少しずつ変わってきた「新しい働き方」が大詰めをむかえるのです。

「え、もうですか! はやっ!」

巷では、「2024年問題」などと言われています。あっという間に期限が来ました。

医療に従事する医師、自動車運転の業務などは非常に身近な適用猶予業務になります。今ここに激震が走っています。問題山積です。

じつは、小生は多くの牧場にコンサルに行くことがあるのですが、昨年末ごろからとにかく残業について細かく現場に指導が入ることが目立ち始めました。農業分野でも「2024年問題」はかなりのインパクトで働き方を変える威力があると感じました。そして、遅ればせながら獣医療も・・・。

本当に時代の変化をしみじみと感じます。間違いなく時代は変わっています。

獣医師の働き方もいろいろと考えていかなくてはいけません。
そのような中で参考になるのが、医療に従事する医師の状況。

お医者さんはどんな状況なのだろうかと調べてみると、やはり相当苦戦している模様。

【 医師働き方改革 残業規制「守れず」9割 】

という見出しが目につきました。回答した57病院の9割が「時間内に収めることは不可能」という回答があったそうです。このままではどうしようもないので、上限を2倍程度引き上げる特例を申請するとのことです。2割じゃなくて、2倍という数字が強烈です。

病院だろうが、運送会社さんだろうが、企業畜産だろうが、家畜診療所だろうが、とにかく経営者も、働く人も、滅茶苦茶大変だと思いますが、より良い未来を目指して前に進んでいくしかありません。

法律というものは本当に不思議なものです。できた当時はそこまで変化を感じないものですが、時間が経つにつれて、世界が明らかに変わります。

簡単に言えば、世間一般のいわゆる「常識」が変わるのです。

小生が獣医師になったころと比べて、今の働き方は大きく変わっています。あの頃の「常識」は今では通用しません。そして、今後5年、10年と時間がたてば、さらに変化しているのでしょう。

5年後、10年後はもう確実に小生は予測不能です。

小生の好きな「徳川家康公遺訓」があります。ため息が出たり、未来に対して悲観的になったりしたときは、ふと思い出します。

人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。勝つ事ばかり知りて、負くることしらざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり。

結局、いつものように、やれる事を粛々とやるしかなさそうです。
 
 
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