2012年5月17日 前回までは明らかに精巣が臨床症状や外貌などから残っていることがわかる症例についてのお話でした。しかし、毎回このようにわかるわけではありません。時にはこの精巣は生きているのか死んでいるのか非常に悩む症例に出くわす場合もあります。また、肥育が進んでいる牛さんで余計なストレスをかけたくないので確実に精巣が生きているとわかってから手術に踏み切りたい場合もあります。さらには精巣を触診できないけど陰睾が疑われる症例に遭遇することもあります。 ではこのような場合にはどうするのか? 答えは非常にシンプルで血中テストステロン濃度を測定します。一応hCG負荷試験という方法があり、採決した後にhCGを投与し(day0)、その後day5とday7にもう一度採血を行い血中のテストステロン濃度の変化を調べます。小生はいつも宮崎大学の北原先生にお願いして測定してもらっていますが、何かの時は非常に重宝する検査です。客観的数値で精巣遺残や陰睾を判断できることは現場で悩んでいる時に非常に助かる最高にありがたい検査ですよ~。 前の記事 第276話: タ、タマが残っとる・・・・(その10) | 次の記事 第278話: タ、タマが残っとる・・・・(その12) |