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橋本匠護のコラム
デカったま牛さん

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2024年3月4日

先日、とある農家さんで去勢を行いました。8頭ほどだったのですが、その中で1頭の精巣が若干大きめだったので思わず写真を撮ってしまいました。

デカめです・・。長径が12cmくらいでしょうか。

ところで精巣のサイズは、何の影響をうけるのでしょうか?

まずは月齢です。月齢を重ねるにつれて、精巣は大きくなっていきます。そのため去勢適期をすぎているような牛では、牛自体も精巣もいずれも大きく去勢が超超大変になることがあります。

続いて栄養状態です。哺乳期や育成期に低栄養状態が続くと、性腺刺激ホルモンの分泌が弱まり、精巣は小さくなり、春機発動が遅れ、精巣上体の精子数が少なくなるという報告があります。確かに肺炎で長期治療していた牛の去勢を行うと、精巣が極小だったりします。

一方で高栄養状態が精巣に対して、必ずしもいいというわけではないようです。これは高栄養により過剰に陰嚢脂肪が蓄積することがあるためです。過剰な脂肪蓄積により熱放散が上手くいかず、結果的に熱に弱い精子にとってダメージとなってしまいます・・・。Oh。
(ちなみにゾウの精巣はお腹の中にありますが、普通に精子形成できます!)

いやぁ、本当に奥が深いですね・・・!
 
 
 
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